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    久しぶり過ぎて、全然予定していたとこまで書きすすめなかった。
    まー、ボチボチリハビリしながら書いて行きます。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/121/ (1)夕梨先生の霊子論 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/155/ (2)大いに可なり 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/157/ (3)宇佐見若葉 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/164/ (4)九日旭
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/167/ (5)サイレント・ヴォイス 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/172/ (6)土成首里 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/174/ (7)谺神社 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/176/ (8)庚申塔 


    ラギヨイ・アチントヤ(9) 大可如弥


    ピピピピピピピピ… カチ


    若葉「ふぁー、(パン)よし (ガバ)」


    あくびをしつつ、目覚まし時計を止め、顔をパンと両手ではたいた後、
    布団からはね起きる。

    時刻は4時30分。当然、日は昇っていない。
    というのも、その夜明けを見るために起きたのだから、当然である。
    2003年4月17日の日の出は5時26分。日課とはいえ、日に日に
    起床時間を数分早くしなければいけないのは正直キツイ。
    まー、夏至の頃は4時起きなのだから、それに比べればマシなのだが。
    冬の頃なら6時起きでも十分間に合うのに。

    とか何とか愚痴を言いつつバスルームに向かう。
    目的は水垢離を兼ねた朝シャンである。
    谺神社での参拝を兼ねて、穢れ落としではあるが、勿論水ではない。
    身体を伝う流水(お湯)が徐々に頭を覚醒させていく。

    そして思うのは昨夜のこと。
    普段なら22時に寝てしまうのだが、土成くんが携帯電話は通話専用だけど、
    PC(パソコン)ではメールが打てるというので、23時まで起きて、
    ついついやりとりしてしまったのだ。


    若葉「流石に、土成くんは、まだ寝てるよね。
       7時くらいになったら電話してみようかな」


    気づいたら5分くらいボーっと浴びていた。シャンプーはいいか。
    滴る雫を吹いた後、簡単にドライヤーをかけジャージに着替える。
    温めた、はちみつレモンを魔法瓶の水筒に注ぎつつリュックを背負い
    時計を見ると5時。少しは慌てないとダメかな? 
    身体をパキパキと鳴らしつつ簡単な柔軟。


    若葉「行ってきまーす」


    谺神社までの5分のジョギング。そして、100段近くの石段登り。
    無論、全力疾走ではない。四月とはいえ、明け方のため放射冷却で若干肌寒い。
    心臓麻痺でも起こしたら元も子もない。後、若干はねた髪の毛も気になり、
    手ぐしを入れる余裕がある速度ではあった。

    階段を登りつめた時、5時10分くらいであろうか、若干、東の空は白んできていた。
    しかし、太陽の顔を拝むことは出来そうになかった。
    何故なら、空は一面の雲で覆われていたからだ。でも、太陽光は直視できないのだから、
    寧ろ好都合とも言えた。夜から朝に濃紺から群青に変わる大自然の壮大なグラデーションは
    毎日見ても飽きることはない。何故なら一度として同じ風景は見れないからだ。

    時刻は5時30分になった。もう30分くらい経ってからの方がより変化を楽しめるかもしれない。
    というわけで、もう一つのお楽しみを拝みに行く。
    それは、月没である。今日は5時42分がそれであるから、まだ見れるかもしれない。
    とはいえ、この雲の厚みでは無理かも? 神社の裏手に回り、西に向かう。

    昨日、土成くんがスケッチしていた場所だ。そして、そこから滑り落ち怪我をしたところ。
    地平線に没する月は、やはり見えなかったが、徐々に明るくなってくる高台から
    3m下の石碑を眺めてみる。すると、全身黒衣の男性が、そこで手を合わせていた。

    崖下はまだ、影に包まれていて、まるで闇に溶け込んでいるようで、やや不気味であった。
    その男が、こっちに気づき、話しかけてきた。


    ra3


    ??「おはようございます。参拝ですか」

    若葉「ええ、そうです。あの、何しているんですか?」


    思ったより、穏やかな声だったのと人懐っこい微笑が私の警戒心を解いたせいで、
    思わず質問してしまっていた。何故なら、男性は足元で線香を灯し、
    鐘をチーンと打ち鳴らしていたからだ。お寺ならまだしも、ここは神社。
    まるで仏壇前での焼香のようで、少し似つかわしくないい行為だな、と思ってしまったのである。


    ??「供養です。でも、少々マズイかもしれないな」

    若葉「どーゆーことですか?」

    ??「えと、昨日、ここで事故がなかったですか?
       というか、誰が此処で怪我を、いや血を流したかどうかご存じありませんか?」

    若葉「どーして、それを?」

    ??「よかった。あなたではないみたいですけど、もし、
       その怪我した人を知っていたら教えていただけませんか」

    若葉「分かりました。そっち降りて行きますね」


    少々不用心だったかもしれない。けど、土成くんのことも気になって、
    脇の坂道を転げるように駆け降りた。


    若葉「はーはーはー。お待たせしました。」

    ??「なるほど、近寄ると少し分かりました。昨日の夕方、あの崖上から落ちたんですね」

    若葉「何故、分かるんですか?」

    ??「僕、少々鼻が効くんです。それで、怪我をしたのは、あなたのボーイフレンド?」

    若葉「いえ、土成くんは、クラスメートで」

    ??「ほう、土成くんというのですか。土成… 聞き覚えがある名前だな。
       あ、OSCの研究員にそーゆー苗字の夫妻がいたような。えと、君は高校生?」

    若葉「はい、高校2年生です。あの、ひょっとして刑事さん…ぽくないから探偵さんとかですか」

    ??「あ、申し遅れました。僕、こーゆーもんです。」


    そう言うと男性は名刺をくれた。それには以下の文言が書かれていた。

    「古物商 大可堂 代表取締役 大可如弥(おおか・きさや)」と。

    名前が読めたのは、ご丁寧に振り仮名がふってあったから。
    しかし、疑問が解けたわけではない。寧ろ、謎は深まった気がする。
    納得できる解答が欲しかった。そして、得体の知れなさから、
    これ以上、立ち入ったことを聞くのもと、躊躇していた時、
    崖上から聞き覚えのある声が聞こえてきた。





    夕梨「おはようございます。如弥さん、あれ? 若葉ちゃん、何でいるの?」


    そう言うやいなや、夕梨さんは3mもある、崖上から飛び降りてきた。
    危ないという間もなく、夕梨さんは猫のように見事な着地を見せた。


    夕梨「如弥さんは、分かるとして、若葉ちゃんは、おひさまに用があるんじゃない?
       もう、昇っているから、早く見に行った方がいいよ」

    若葉「あ、はい。そうします。それでは、失礼します。」

    如弥「あ、君。若葉さんだっけ、土成くんの下の名前教えてもらえないかな?」

    夕梨「話が見えないな。あ、そーだ。若葉ちゃん、昨日怪我しなかった?」


    名探偵がもう一人現れた。それとも、昨日の夕方、誰もいないと思っていた
    この高台、実は衆人監視下にでもあったのだろうか?
    あまりのことに口が聞けず、押し黙っていると代わりに大可さんと言う人が答えてくれた。


    如弥「あ、夕梨くん、怪我したのは、若葉さんのお友達の土成くんという男の子らしい。」

    夕梨「土成くん? んーと、聞き覚えあるな。あーあーあー、若葉ちゃんの彼氏か。
        首里君だっけ。」

    如弥「土成首里くんか。ところで、夕梨くんは、何故彼が怪我したことを知ったの?
        何か聞こえた?」

    夕梨「いえ、さっき、チリトリの中で、これを見つけたもので」


    そー言って見せたビニル袋の中にどす黒く染まった血まみれのティッシュがあった。
    不安になってきたので、聞いてみる。


    若葉「あの、ゴメンなさい。昨日の夕方、私があの高台の上で足を滑らせて、
       落ちそうになったところを土成くんが助けてくれたのですが、代わりに落っこちて
       怪我したんです」

    夕梨「あちゃー、そうだよね。あそこ、柵ないもんな。作らないと危ないよね。
        そーゆー事故が起こっても仕方ないか。ごめん、うちの神社の失態だね。
        というか、その首里くん、大丈夫? 病院行ったのかな?」

    如弥「この庚申塔に頭をぶつけて、そこの茂みに落ちたというのは分かるのだけど、
       それだけでは土成くんは血を流してないはずなんだ。
       その辺の事情も詳しく教えてくれないかい?」

    若葉「えと、土成くんが落ちて、あの石碑に頭をぶつけて気が動転して、私もパニックになって
       飛び降りちゃったんです。そしたら、土成くんの顔の上に落ちちゃって鼻血が…」

    夕梨「あー、若葉ちゃんと接触して興奮しちゃったのかな? 若いな…
        まー、3mの高さから女の子一人降ってきたら物理的、肉体的にもキツイか」

    如弥「なるほど、それが起動キーとなったから、地霊が希薄になっているのか」

    若葉「ちれい?」

    夕梨「もしかして、ヤバイことになっています?」

    如弥「若葉さん、その土成首里くんと連絡取れないかな」

    若葉「あ、はい、携帯電話の番号教えてもらってますから。けど、まだ起きてないかも」

    夕梨「お、メアドじゃなくて、TEL番ゲットしているとは、若葉ちゃんも隅におけないな。
        ヒューヒュー」

    如弥「時刻は6時半か。メールでも、留守電でもかけれないかな」

    若葉「そーですね。昨日土成くん、病院行ってないし、心配なのでかけてみます」


    ピポパ…短縮ダイヤル10番をコールする。1回、2回、15回、20回、30回コールしても出なかった。


    若葉「ダメですね。留守電にしてないみたいです。
       メールもPCを立ち上げてくれないと見てもらえないし」


    と話かけると、2人は深刻そうな顔で話をしていた。


    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/221/ (10)五穀断ち に続く

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