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    今日から再始動です。まー明日は日中と夜、動くから、実質土曜からかな。
    来週の月曜日も冬コミ2日目に吉田ぽあ郎のCDを買うためだけに
    有明に行くけど。(空の境界 第6章「忘却録音」も見れるといいな。)

    キタエリが黒桐幹也の少年時代の声と、「妖精がいる」とか言う鮮花の後輩役を
    やっていたり、水樹奈々さんも鮮花の先輩役(多分、でこパチのお嬢様)だとか

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    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/121/ (1)夕梨先生の霊子論 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/155/ (2)大いに可なり 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/157/ (3)宇佐見若葉 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/164/ (4)九日旭
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/167/ (5)サイレント・ヴォイス 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/172/ (6)土成首里 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/174/ (7)谺神社 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/176/ (8)庚申塔 
    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/213/ (9)大可如弥


    ラギヨイ・アチントヤ(10) 五穀断ち


    5分後、再度、土成くんの携帯電話に連絡してみる。
    しかし、結果は同じであった。プルルルル…カチッ…

    深刻そうな話から世間話へとシフトチェンジしていた片割れ、
    夕梨さんがクシャミをしつつ、提案をした。





    夕梨「ヘックチン… うー寒。ここって昼間でも陽光は差し込まないから
       場所移動しません? この上だったら日当たりいいし」

    如弥「折角の提案だけど、穢れを神社の敷地内に持ち込みたくないからね。
       僕は遠慮しとくよ」

    夕梨「はー、そーですか。クシュン」

    若葉「あの、よかったら、これ、どうぞ」


    そー言って、私はリュックから魔法瓶の水筒を取り出し、
    中のホットはちみつレモンを注いで差し出した。


    夕梨「うーん、いい匂い。ありがとう、いただくわ。
       ゴクゴクゴク… はー、生き返った。そうだ、如弥さんもどうですか?」

    若葉「あ、それじゃ、こっちの内ぶたで…」


    という私の言いだすのを遮って、夕梨さんが外ブタのコップを突き出してきたので
    慌てて注ぐ。それを大可さんに渡した夕梨さんは何故かガッツポーズをしていた。


    如弥「ゴクゴク、ふー、温まったよー。そうだ、お礼と言っちゃなんだけど
       2人とも朝食まだだったら、ご馳走するけどどうかな?」

    若葉「あ、ありがたいんですけど、私、もう帰らないと」

    夕梨「ありがとうございます。ごちそうになります。若葉ちゃんも行くよね」

    若葉「は、はい」


    私は、学校があるし、お弁当作らなきゃいけないからと断りたかったのだけど、
    夕梨さんが有無を言わずに承諾してしまったので、仕方なくついていくことになった。
    けど、こんな朝から開いている喫茶店ってあるのかな?

    神社の裏、西側にある坂の砂利道を下り、10分歩いたところに駅があり、大可さんは
    のれんをくぐった。そこには、出勤する背広姿のサラリーマンが所狭しと背中を背にして立ち、
    何かをすすっていた。メニューを見れば、そば、うどん、おでん、お握り、稲荷寿司という
    ラインナップである。どうやら立ち喰いそば屋らしい。自分一人ではまず入らない空間のため、
    思わず、色々見渡してしまった。その間に大可さんは私のを含めて3人分注文してしまったらしい。

    まー、ご馳走してもらえるだから、そのことに対して文句を言う気はなかったけど、
    出てきたメニューは少々色気がなかった。
    というのも山菜ソバに、おでん(大根、こんにゃく、コンブ)というクリーンナップだったからである。
    不満というか、困惑が顔に出てしまっていたのだろう。夕梨さんが耳元で囁いてきた。


    夕梨「若葉ちゃん、どうせなら天ぷらやスジ肉、ゆで卵、お握り、お寿司
        なんかが食べたいと思ったでしょう?」

    若葉「正直言うとそうです。いえ、ご馳走していただくのだから、贅沢言ったら罰当たりますよね。
       いただきます。パキ、ズルズル… あー美味しい。」

    夕梨「それどころか、若葉ちゃんには、今日は五穀断ちをしてもらおうと持っているの」

    若葉「ゴコクダチ? 何ですか、それ。」

    如弥「五穀というのは、米、麦、豆、稗(ひえ)、粟(あわ)のこと。まー、稗、粟なんてというものは
       最近では滅多に食べないから、主に白米や、小麦、大豆の3品目ということになるかな」

    夕梨「つまり、お味噌汁、納豆、パン、ケーキ、麺類はダメってことね。
       後、出来れば、動物性たん白質も禁止ね。ふふ、どうして? って顔してるわね」

    若葉「いえ、お蕎麦はいいんですか?」

    如弥「あー、そばは蕎麦粉で出来てるからね。中にはニ八そばといって二割、
       小麦で出来ているものもあるけど、この店は100%蕎麦だから、大丈夫。」

    若葉「うーん、精進料理なら大丈夫ということですか?」

    夕梨「精進料理も意外と油使うのよね。しかも大豆でタンパク質を取るからアウト。」

    若葉「えーと、おそばと、野菜は大丈夫なんですね。」

    大可「後、果物やハチミツもいいよ。さっきのはちみつレモンは実に理想的だった」


    とか話しているうちに2人とも食べ終わっていた。私も遅い方ではないつもりだったが、
    ついつい話を聞いているうちに食べ損ねてしまったのである。慌てて食べる。
    けど、一つだけ浮かんだ疑問をぶつけてみる。


    若葉「ダイエットとかベジタリアン(菜食主義者)ってわけじゃないですよね。何故なんですか?」


    しかし、2人は顔を見合わせたまま意味深な表情をしたまま微笑んだだけであった。
    らちがあかない。それとも店内では、他のお客の手前、話せない内容なのだろうか?
    私は、とにかく口の中に押し込んで手で口を押さえたまま店を後にすることにした。

    さて、時刻は7時を過ぎていた。神社に帰る道すがら、3度、土成くんの携帯電話に連絡してみる。
    20回コールして諦めかけた時、コール音から呼び出し音に代わり、つながった。
    しかし、何故か、ノイズが入っているかのようなひび割れた電子音であった。


    ra3


    首里「…誰?」

    若葉「もしもし、土成くん? 私、宇佐見」

    首里「…」

    若葉「あの、聞こえてる?」

    首里「…悪・イ、ヨ・ク・聞・コ・エ・ナ・イ…」

    若葉「大丈夫? 昨日の怪我が悪化したということはない?」

    首里「…ダ・メ・ダ、ス・ゴ・ク・眠・イ…」

    若葉「もう朝の7時だよ。学校行く支度しないと」

    首里「…今・日・ハ・休・ム…」

    若葉「ちょっと、土成くん、本当に大丈夫なの?」


    しばらく間を置いて、急にノイズがなくなった。


    首里「あれ? 宇佐見さん?」

    若葉「おはよう、土成くん」

    首里「おはようって、俺いつから喋ってた?」

    若葉「え、さっき電話かけた時だけど」

    首里「さっき? 今、何時?」

    若葉「朝の7時だけど」

    首里「マジで? ヤベー、昨夜の22時から記憶がない」

    若葉「寝ちゃったんじゃないの?」

    首里「そっかな。だよな」

    若葉「そろそろ起きないと土成くん学校まで自転車で30分かかるんでしょ?」

    首里「学校か… 悪い。少し遅れるかもしれない」

    若葉「どうしたの? やっぱり具合悪いの?」

    首里「うん、ちょっと病院で診てもらおうかと思って」

    若葉「分かった。先生に伝えておくよ。それじゃね」

    首里「あり・ガ・ト・ウ。ソ・レ・ジ・ャ…」


    と、電話の切り際に、また、あの耳障りなノイズが走り、それまで健康そうだった
    土成くんの声が、まるでスロー再生でもしたかのように薄気味悪く聞こえた。

    けど、とりあえず安否は確認できたわけだし、私としては一安心したかったのだけど、
    夕梨さんが片耳の耳栓を詰め直していた。詰め直していたというのは、
    それまでは外していたということである。そう言えば、電話がつながった時に外していた気もする。
    ということは、それまではつけていたということなのだろうか?


    如弥「夕梨くん、どうだったんだい?」

    夕梨「若葉ちゃん、今の電話の最初と最後、おかしくなかった?」

    若葉「電波状態が悪かったんですかね?」


    しかし、表示画面にはアンテナが3本立っており、極めて良好な状態であった。


    夕梨「若葉ちゃん、夕方、土成くん家にお見舞いに行こう。勿論、私も同行する」

    若葉「え? だって、土成くん、病院行ってから学校に来るって」

    如弥「そうだね。その場合は必要ないから、夕梨くんに連絡してあげてくれないかな?
       けど、もしそうでなかった場合の準備はしておくから」


    私は、元気な土成くんの声を聞けたことで安心したかったのかもしれない。
    そして、あの耳障りな声を忘れたかったのかもしれない。
    別れの挨拶もそこそこに、2人から逃げるように離れ家路を急いだ。


    http://namiokasougo.blog.shinobi.jp/Entry/225/ (11)着信あり に続く

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